はじめに

数学的なスキルは、ビジネスや就職活動においてますます重要になっています。

そんな数学のスキルを測るためにも、SPIがあります。

SPIには非言語の分野があり、その非言語のセクションで数学の問題が出題されます。

数学が苦手な受検者にとっては、大きな課題となるでしょう。

そこで本ガイドでは、SPI非言語である数学に焦点を当て、その傾向や解答のポイントについて解説していきます。

実際の例題を通じて問題のパターンを理解し、効果的な対策を講じる方法を学びましょう。

SPI非言語の問題を克服することで、自信を持ってテストに臨み、成功への一歩を踏み出しましょう!

 

非言語分野(数学)とはどんな問題なの?

数学のSPIでは、出題される問題は大きく以下の9つのカテゴリに分類されます。

 

① 推論

② 表の読み取り

③ 集合

④ 場合の数

⑤ 確率

⑥ 金額計算

⑦ 分担計算

⑧ 速度算

⑨ 割合

 

どの問題も、基本的には中学・高校で習う数学の基礎問題が中心です。

問題全体の難易度は高くありません。

ですが、数学の基礎的な知識や解法を知っていなければ解答は難しいでしょう。

そのため、本番に臨む前に対策していくことが求められます。

試験範囲は幅広く、さまざまな分野から問題が出題されます。

ですので、一つの分野だけでなく全てのカテゴリに対して幅広く対策しておきましょう。

短期間集中型の勉強より、毎日コツコツと十分な時間をかけて対策することを

おすすめします。

特に苦手な分野は重点的に勉強し、克服できるようにしましょう。

SPI非言語分野の試験は、解答時間が短く感じることがあります。

それは、問題数が多いからでもあります。

試験時間はトータル30分程度で、時間内に約30問の問題に解答しなければなりません。

ですから、各問題につき1分程度で解答する必要があるという計算です。

公式を思い出しながら解くのもいいですが、速さと正確性を意識して直感的に解答できるようにもしておきましょう。

難解な問題が出た時は、時間の節約のためにも割り切って飛ばすといいです。

では、実際の問題を解いてみて出題傾向に慣れていきましょう。

以下から各セクションの概要や、例題や解説も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

「推論」問題の特徴

「推論」問題では、与えられた情報やグラフを読み取り、指定された数値を計算することが求められます。

以下に7つの出題形式を挙げます。

 

⑴ 順序:与えられた情報やグラフから正しい順番を計算する。

⑵ グラフの読み取り:情報やグラフから人口密度などを計算する。

⑶ 正誤:複数人の発言から、会話内の矛盾を見つける。

⑷ 対戦:情報やグラフから試合結果の勝敗を計算する。

⑸ 位置:情報やグラフから位置関係を計算する。

⑹ 平均:各情報から平均値を求める。

 

上記の問題は、SPI数学では必須となる問題です。

解答するには計算が必要になるため、公式や解法をしっかり頭に入れておきましょう。

高得点をとるためにも、SPI問題集を利用して繰り返し解き、模擬試験を受けてみるといいです。

文章をグラフや表に落とし込んで情報を整理するのも有効です。

あらゆる可能性を全部書き出し、適切な答えを抽出しましょう。

非言語分野は解答時間が比較的短く問題数は多いため、正確で迅速な情報処理に努めてください。

 

「表の読み取り問題」の特徴

「表の読み取り問題」では、表やグラフを読み取り、計算する必要があります。

分野は以下の4つに分けられます。

 

⑴ 数量の表:表やグラフを用いて数量や物の割合などを求める。

⑵ 割合の表:表やグラフから割合を求める。

⑶ 2つの表:2つの表から数量と割合を求める。

⑷ 特定範囲の表:グラフから平均点や中央値などを求める。

 

いずれにしても、正確にグラフを読み取り、どの数字を計算に用いるかを素早く把握しなければなりません。

増減数や割合を計算する基本的な手法を覚えておきましょう。

問題文の中に特に「増加数」「減少数」「割合」「増減率」などのキーワードがあれば、注目してください。

 

「集合」問題の特徴

「集合」問題では、与えられた情報から、問題文で指定された条件に当てはまる人数を導き出す必要があります。

解くのに必要なのは、ベン図やカルノー図です。これらの図を用いて

情報を整理し、処理していきましょう。

とりわけベン図は3つ以上の項目を整理する時に有益です。

SPI試験では集合の問題が必ず出るといっても過言ではありません。

必須問題と考え、集合をグラフに落とし込む訓練をしましょう。

問題に頻出するキーワードを確認し、ベン図やカルノー図を巧みに使って問題にアプローチしてください。

 

「場合の数」問題の特徴

「場合の数」問題では、何通りの組み合わせや並び方があるかを導き出します。

順列・組み合わせの公式を覚えると効率的に計算ができるでしょう。

場合の数も必須の問題なので、公式を覚えて繰り返し練習問題にあたりましょう。

問題文には大事なキーワードも出てくるので、見落とすことがないようにしてください。

どの公式を使うべきかも瞬時に判断できるようにしましょう。

 

「確率」問題の特徴

「確率」問題では、サイコロやコインなどを使って確率を求める問題を解きます。

効率よく解答するためにも公式を覚え、正確に計算しましょう。

確実に出題されるタイプの問題なので、基本的な確率の公式や計算方法はしっかり覚えて

おいてください。

問題に出てくる具体的なイベントや条件に注目し、計算をする際には単位を揃えることも

忘れないでください。

 

「金額計算」問題の特徴

「金額計算」問題では、割引や損益を計算することが求められます。

そのため、割引条件や損益計算の基本的な手法を理解しておきましょう。

問題文の情報を正確に取り込むことができます。

SPI試験では、割引問題や損益計算問題が出題されることが予想されるため、

これらの問題に対する基本的な知識を習得しておくといいです。

問題文に登場するキーワードや条件を確認し、慎重に計算処理をしましょう。

 

「分担計算」問題の特徴

「分担計算」問題は、主に「分割」と「仕事算」の2種類です。

分割では手数料や利息の計算をすることになります。

仕事算では、仕事にかかる時間の計算が求められるでしょう。

出題される可能性は極めて高いため、基本的な計算手法を把握しておいてください。

分数や割合を使うことが多いので、基本的な計算方法を復習しておきましょう。

問題に登場する具体的な条件や情報に注目し、正確に解答できるようにしてくださいね。

 

「速度算」問題の特徴

「速度算」問題では、「速度」「距離」「時間」の三つの情報をもとにして、

平均速度や追い越し時間・追いつく時間を求めます。

解を求めるためには事前に一般的な公式を覚えておき、単位を統一させることが大切です。

「速度算」は頻出問題なので、基本的な速度計算の公式や方法を把握しておきましょう。

問題文に出てくる距離や時間の単位にも気を配り、正しい答えを導いてください。

単位の換算などにも注意を払うことが大切です。

 

「割合」問題の特徴

割合では、条件に当てはまる数字が全体の何%かを求めます。

基本的には四則計算を使うことになるでしょう。

四則計算をマスターしておくのは必須といえます。

また、問題文の中に出てくるキーワードもヒントになる可能性があるので、敏感になりましょう。

特に足し算や引き算、割り算といった基本的な計算が素早くできるように練習してください。

 

上記で説明した概要をご参考にしながら、ぜひ数学問題の対策に取り組んでください。

模擬試験を活用するのもおすすめです。

各分野ごとに計算方法や解答のポイントを理解し、正確かつ迅速に問題を処理しましょう。

 

SPI非言語の例題

推論の例題

P、Q、Rの砂糖に含まれる不純物の質量の割合は以下の表のとおりである。ここで、砂糖の質量は、PとRは同じで、QはPの2倍だということがわかっている。この時、次の推論について、正しいものをAからCの中で1つ選べ。

・含まれている不純物の量が一番多いのはQである。

P 8%

Q 16%

R 24%

 

選択肢

 

解答・解説

答え:A

 

PとRの砂糖の質量を100、Qの砂糖の質量を200とおく。

すると不純物の質量は、上記の設問どおりになる。

 

編集者からワンポイントアドバイス

非言語の推論の問題は情報を整理する力が求められます。このような数値同士の比較の問題では、ある1つの数値を基準として設定することが定石です。基準となる数値は、1や100、xなどにすることによって後々の計算がやりやすくなるでしょう。

例えばこの問題では、P,Q,Rの質量または不純物の量という6つの数値のうち、Pの質量を基準とします。不純物の量は質量に百分率をかけて計算するため、Pの質量を100とおくと計算しやすいでしょう。あとはその基準をもとにP、Q、Rの不純物の量を計算し、比較します。

このように基準を設定することで単純な数値計算として問題を解くことが出来るでしょう。

 

表の読み取りの例題

ある高速バスは乗った場所からの距離に応じて料金が決まる。以下の表は1kmあたりの運賃を表にしたものである。

8歳の子供が52km乗った場合、運賃はいくらになるか。


選択肢

◎解答

正解:A。

 

180×20+150×20+120×12=3600+3000+1440 =8,040円の半額(小児料金適用のため)

よって正解は4,020円

集合の例題

クラス41人に対して、通学時に電車、バスを利用するかどうかに関してアンケートを取ったところ、電車を使う人が31人、バスを使う人は16人、電車もバスも使わない人が3人いた。

電車とバスの両方を使う人は何人か。

 

選択肢

 

解答・解説

答え:A

求めるべき人数は上図の濃い青い部分。これをxとおく。

 

よって、31 + 16 – x + 3 = 41 が成り立つので、これを解くとx = 9

 

したがって電車とバスの両方を使う人は9人。

 

編集者からワンポイントアドバイス

非言語の集合の問題は、多層的な情報を処理する能力が求められます。このような重なり合った複数の情報を分析する問題では、ベン図を描くことが重要です。

例えばこの問題では、全体集合をX、電車通学の集合をY、バス通学の集合をZとした上で、電車のみ使う人をA、電車とバスを使う人をB、バスのみ使う人をCと置いて考えてみましょう。まず、YとZのいずれにも属さない人は3人なので、38人はYまたはZに属していることがわかります。なので、A+B+C=38が立式できます。次に、YはAとBから構成されているためA+B=31となり、同様にZはBとCから成るのでB+C=16となります。従って、これらの式より、B=9であり、答えは9人とわかります。

この様に、わからない部分を文字で置くことは集合の分野においても重要です。

 

場合の数の例題

男子8人、女子6人の陸上部からマネージャーを2人選びたい。男女それぞれ1人ずつ選ぶとき、選び方は何通りか。

 

選択肢

 

◎解答

正解:E

 

男子、女子の選び方がそれぞれ8通り、6通りであるので、 8×6= 48通り。

 

確率の例題

XとYの2人がくじをひく。そのくじは1等賞が当たる確率が1/20、3等賞の当たる確率が1/5である。XとYのうち片方が1等賞、もう片方が3等賞を当てる,という事象が起きる確率を求めよ。

 

選択肢

 

 

◎解答

正解:A

 

Xが1等賞を当てる確率が1/20, Yが3等賞を当てる確率が1/5なので、

Xが1等賞、Yが3等賞である確率は、1/20*1/5= 1/100であり、Xが3等賞、Yが1等賞である確率も同様に1/100なので、求める確率は、1/100*2= 2/100, すなわち2%となる。

 

金額計算の例題

P、Q、Rの3人が100,000円ずつお金を出し合って共用のオフィス用ロッカーを購入した。お釣りを受け取ったPは、負担を同額にするためにQとRに4400円ずつ渡した。

購入したオフィス用ロッカーはいくらだったか。

 

選択肢

 

◎解答

正解:A

 

負担を同額にするためにPはもらったお釣りを三等分する。

よってお釣りの合計は4400×3 = 13200円である。

100000 x 3 – 13200 = 286800円が商品の金額となる。

 

分担計算の例題

ある書類の処理を全て終わらせるのに,Xは4日間、Yは6日間かかる。この処理をXとYの2人で行う場合、全て終わらせるのは何日目か。

なお2人で処理する場合も時間あたりの処理量は変わらない。

 

選択肢

 

◎解答

正解:B

 

処理しなければいけない全部の量を1と考える。

するとX、Yそれぞれの1日あたりの仕事量は、

X : ¼ 

Y : ⅙  

2人で一緒に処理をする場合、1日の処理量は

¼ + ⅙ = 5/12である。

である。

仕事を終えるには2と⅖ 日。すなわち3日目に終了する。

 

速度算の例題

バス停Xとバス停Yは20kmはなれている。バス停XをバスPが8時ちょうどに出発する。

バスPは常に一定の速度、時速28.8km/時で走行する。

バスPとバスQがすれ違ったのは、8時15分20秒だった。また、バスQが出発したのが7時43分44秒だった。この時、バスQは時速何kmで走行していたか。

バスQも常に一定の速度で走行しているとする。

 

選択肢

  1. B.25km/h
  2. C.30km/h
  3. D.33km/h

 

◎解答

正解:A

バスPがバスQとすれ違った時、すなわち出発から15分20秒後、バスPはバス停Xから28.8×(15+1/3)÷60×1,000=7,360m離れたところを走っていた。つまりバス停Yから見ると、20,000-7,360= 12,640m地点。

バスQが出発してからバスPとすれ違うまで31分36秒経っている。

つまり31.6分で12,640m、バスQは移動した。ここから分速が12,640÷31.6=400mであることがわかり、これを時速変換して24km/h

 

割合の例題

ある吹奏楽部にて、全部員のうち40%が金管楽器を演奏しており、その数は36人である。
全部員の20%を占める木管楽器担当部員は何人か。

選択肢

 

◎解答

正解:C
まず、全部員の数を求める。全部員の数の40%が36人なので、
36÷0.40=90人が全部員の数。そのうち20%が木管楽器担当なので、
90×0.2=18人

 

例題を解く

推論(位置関係)007
P,Q,R,Sの3人が、カウンターに向かって1列に並んだ5つの席に座っている。各自の座り方について次のことが分かっている。
Ⅰ Sは奇数番号の椅子に座っていた。
Ⅱ Qからみて右隣にはSが座っていた。
III RとSは隣同士だった。
IV 5番の席は空席であった。
Pが座っているのは何番か。

例題:

A. 1

B. 2

C. 3

D. 4

解説を詳しく見る

IとIVより、Sは1か3のいずれかであることがわかる。
IIを満たすのは(S,Q)が(1,2)か(3,4) の場合とわかる。
III より(R,S,Q)を満たすのは(2,3,4)の組み合わせのみ。
IVより、(P,S,Q,R)の順番で左から座っていることがわかり、Pは1となる。

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推論(位置関係)006
X 、Y、Zの3人が、円形に並んだ4つの席のいずれかに座っている。各自の座り方について、次のことが分かっている。
Ⅰ YとZは隣り合っていた。
Ⅱ 数字の1番の席は空席だった。
Xが座った可能性のある席の番号は何番か。全て答えよ。

例題:

A. 2

B. 3

C. 4

D. 2か3

E. 2か4

F. 3か4

解説を詳しく見る

1番が空席でYとZが隣り合っているので、(Y,Z)=(2,3)(3,2)ないしは(3,4)(4,3)のいずれか組み合わせで座っている。この時Zは2か4のいずれかとなる。正解はE

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