記事更新日:2024/1/31/
SPIと適性検査の問題をクリアするコツ

はじめに

就職活動においてSPIと適性検査を採用する企業は増えています。

企業側はSPIや適性検査を取り入れることで、応募者の性格特性や知的能力を効率良く把握しています。

応募者にとっては入社したものの、仕事が自分の思っていたものと違い、苦労することが多いです。

企業側としても、採用した人材が仕事に対する適性がなく、効率の低下や早期退職に繋がるケースがあります。

そういったお互いのミスマッチを解消するためにも、SPIや適性検査は欠かせません。

ここではSPIと適性検査をどのように突破するのかアドバイスしていますので、就活生はぜひ最後までお付き合いください。

SPI、適性検査の概要

SPIも適性検査の1つに含まれます。

SPIとはリクルートマネジメントソリューションズ社が開発した適性検査であり、人の性格や能力を把握するのに用いられます。

SPIは働く上で必要な知的能力を測る能力検査と、応募者の性格を把握する性格検査に分類され、企業によって重要視する検査はさまざまです。

能力検査主に知的能力を測る検査のことです。言語分野と非言語分野で別れており、言語分野では言葉の意味や話の内容を簡潔にまとめ、理解する問題が多く出題されます。非言語分野では、数字を主に扱うことが多く、数学に近い問題や論理的思考力を問われることが多いです。企業によっては英語能力や構造的把握力を検査するところもあります。
性格検査日常の行動や考え方を問うような問題が多く、その人がどんな人なのかを把握するために用いられます。性格検査を利用して、その人が仕事や組織に向いているのかを判断します。

参照ページ:適性検査「SPI」とは?|就職準備応援サイト|リクルートマネジメントソリューションズ (recruit-ms.co.jp)

SPIや適性検査を怠るとどうなる?

企業はSPIや適性検査を通して、応募者の能力や性格、仕事に対する適性を測っています。

SPIの点数が悪いと、人気の高い大手企業では足切りされるケースもあります。

また、適性検査の結果や内容は面接の参考資料としても活用されやすいです。

適性検査の内容と面接の受け答えが異なると違和感が生じてしまい、綻びが出ます。

面接で不利にならないためにも、適性検査からしっかり対策する必要があります。

参照ページ:適性検査とは?spiとの違いや、就活でのテスト対策・落ちる理由について解説 | 給与計算ソフト マネーフォワード クラウド (moneyforward.com)

SPIの対策とコツ

多くの企業がSPIを取り入れている現在、就活生にとってSPIは避けて通れない状況です。そのためSPIへの対策が必要です。

SPIの問題は中学〜高校レベルのものが多く出題されます。

大学入試レベルというわけではないため、しっかりと対策すればそこまで難易度は高くないはずです。

言語分野

言語分野で主に出題されるのは、下記の通りです。

出題分野
二語の関係性 2つの語句と同じ二語の関係にあたるものを選択する
語句の意味 問題文と意味と合致する語句を選ぶ
語句の用法 問題文に引かれた下線部の語句の意味と合致する語句を選ぶ
文章整序 文章を並べ替えて1つの文章を作る
空欄補助 文章中の空欄に入る適切な語句を選ぶ
熟語の成り立ち 熟語が提示されるので、その意味を選択肢の中から選ぶ

言葉の意味を考えて解答する問題が中心に出題されます。

対策としては、まず文章に慣れましょう。

言葉の意味を知るのはもちろん、文字や文章を解読する能力が求められるため、普段から文章に慣れることが重要です。

本や新聞などを読み、文章を理解する能力を身につけておきましょう。

非言語分野

非言語分野で主に出題されるのは、以下の通りです。

出題分野
推論 提示された情報から正しい解答を導き出す
場合の数 与えられた条件に組み合わせが何通りあるのかを解答する
確率 確率を求める
割合 割合や比率を求める
集合 複数の集合に関する情報から該当する答えを導く
表の読み取り データが記された表を読み取り、解答をしていく
速度算 速度、距離、時間から他の情報を解答する
仕事算 全体の仕事に対し、1人あたりの仕事量を求める
金額計算 原価、定価、売値など金額にかかわる数字から計算する
分担計算 情報を元に1人あたりの仕事量や分配を求める
特殊計算 提示された情報から求められているものを解答する

計算を使った問題が広く出題されます。

推論のように数字だけでなく、文章を理解しないと解答に苦戦する問題もあるため、読み取る能力も重要です。

対策としては、公式を覚え、問題集をひたすら解きましょう。

計算ミスなど簡単なミスを防ぐために、日頃から問題に解き慣れていることが大事です。また、SPIでは問題を解く時間が30〜40分と短いことが多く、1つの問題に時間をかけられません。

計算スピードを上げるためにも、問題集の反復練習は実施してください。

その他の対策としては、勉強範囲を絞るのも1つの方法です。

出題範囲が幅広く、すべてカバーしきれない場合は、出題傾向の高い問題を優先して対策しましょう。

非言語分野で出題傾向の高い問題は金額計算、推論、仕事算あたりです。

どこから手を付けていいのか分からない場合は、傾向の強い問題から進めましょう。

それと同様に、自分の苦手な問題を中心に対策するのもおすすめです。

英語分野

英語分野で主に出題されるのは、以下の通りです。

出題分野
同意語 出題された単語と似た意味を持つ単語を選ぶ
反意語 出題された単語と反対の意味を持つ単語を選ぶ
空欄補充 出題された英文の空欄に入る適切な語句を選ぶ
単語の意味 英語の文章を読み、それと最も近い意味を持つ単語を選ぶ
語文訂正 提示された文章の中で間違った文を訂正する
和文英訳 日本文を英語に翻訳する
長文読解 長い英文を読み解き、出題された問題に解答する

近年では英語力を重視する企業も増えていることから、SPIに英語が出題されることも増えています。

SPIで英語が出題されやすい業界は、商社、外資系、メーカー、航空、広告などグローバル業界が中心です。

自分が入社したい企業や業界に英語があるかを、まずは確認しましょう。

対策としては、英単語の意味を理解しておくことです。

SPIの英語は、ただ英単語を覚えているかだけではなく、英単語の意味を適切に理解できているかも問われます。

したがって一夜漬けのような即席での対策は難しいです。

数単語でもいいので、英単語を意味も含めて毎日覚えるようにしましょう。

構造的把握力検査

ものごとの背後にある関係性や共通事項などを読み解き、構造的に把握する能力を検査します。

情報を整理し、障害となる問題を解決する思考力も必要です。

商社、コンサル会社、広告、不動産を中心とした業界で出題されることが多いです。

出題例を以下に載せます。

問題例:構造の似ている組み合わせを選ぶ 選択肢
1.資料の8割は紙でそのうち3割は厚紙。厚紙は資料全体の何割か 1と21と31と42と32と43と4
2.共同開発者のAとBは5:4の開発費に応じて利益を分配。Bの取り              分は利益の何%か
3.片付けをするのに姉は3m四方、妹は2m四方の広さを担当。 姉の仕事量は妹の仕事量の何倍か
4.大学の1年生と2年生にバイトの経験有無を聞いたところ、 半数が「ある」と答え、2年生がその50%を占めた。 バイト経験のある1年生は全体の何%か

論理関係を読み取り、グループ分けする能力が必要です。

肯定と否定、事実と仮定、順接と逆接など対になる関係を見つけたり、問題例のように共通点を俯瞰して探せる力をつけましょう。

性格検査

性格検査は能力検査と違い、正解がありません。

日常の言動や思考に関する質問に回答し、回答者の性格や特徴を測るためです。

出題例を以下に載せます。

質問例 選択肢
1.欲がないほうだ ・あてはまる・どちらかといえばあてはまる・どちらかといえばあてはまらない・あてはまらない・わからない
2.イライラしやすいほうだ
3.チャレンジをしていきたいほうだ
4.1人でいるのが好き
5.引きずりやすいほうだ

性格検査では能力検査のような対策をする必要はほとんどありません。

注意が必要なのは、嘘の回答をすることです。

自分をよく見せようとしたり、印象受けを狙った回答をすると、別の質問で矛盾が生じたりします。

そうすると嘘だと見抜かれてしまう可能性もあるため、正直に回答しましょう。

また、性格検査は出題数が多く、数十問と出されることも珍しくないです。

自分の性格を予め把握しておき、スムーズに回答できるようにしましょう。

自己分析をすればESや面接への対策も捗ります。

性格検査で躓かないためにも、自己分析は早めに取りかかってください。

参照ページ:

SPIの構造的把握力検査とは?

SPIとは?対策方法から練習問題まで大公開!全341問解説付き | SPI対策問題集 (careermine.jp)

SPI、適性検査で必要なこと

特にSPIにいえますが、時間配分が最も重要です。

制限時間が1時間以内なことが多いため、1問に時間をかけられません。

分からない問題は無理に解こうとせず、飛ばして次の問題に進むことも大切です。

時間配分を考え、普段の対策でも時間内に問題を解く練習をしてみるのもおすすめです。

SPI、適性検査対策の開始時期

SPIの対策を始める時期は早い方がいいですが、企業研究やエントリーシート作成、インターンシップなど他にも対策するものは多いのではないでしょうか。

本格的な対策は就活解禁の約3か月前を推奨します。

非言語分野の問題のように反復して慣れる必要があるため、短期間で集中的に取り組むのは難しいです。

毎日1時間でもいいので、3か月ほど前から少しずつ勉強を始めていきましょう。

自分が応募する企業や業界によっては、就活解禁時期が前後する場合もあります。

どの業界や企業を受けたいのかある程度決まっている場合は、解禁時期に合わせて対策を始

めてください。

一般的に就活は大学3年の3月1日から広報活動が始まり、6月には面接など本格的な採用活動が解禁されます。

少なくとも大学3年の1月頃から対策を始めるのがおすすめです。

それと問題傾向を掴み、無駄な勉強を避けることも大切です。

受ける企業の過去の問題傾向を聞いたり、調べたりする機会があれば積極的に活用しましょう。

参照ページ:SPIの勉強はいつから?必要な勉強時間をパターン別に解説 | 就活ならOfferBox=オファーボックス|企業からオファーがくる

SPIのテスト形式

SPIのテスト形式は大きく分けて4つあります。

1.テストセンター形式

 外部会場でテストを受ける形式。

 専用会場のパソコンで受検するもので、現在最も主流な形式です。

 メモ用紙や筆記用具は貸出制であり、電卓も使用が禁止されているケースが多いです。

 テストセンター形式を受ける場合は電卓に頼るだけでなく、自分で計算できるように対策

 をしておきましょう。

 テストセンターのテスト結果は、1つの企業だけでなく、複数の企業に使い回しが可能で す。

 何度も受ける必要がないため、応募者側は負担を減らせます。

2.Webテスティング

 自宅のパソコンで受ける形式。

 自分の都合に合わせてテストを受けられます。

 Webテスティングは、出題される問題とされない問題があり、問題の内容もテストセン  ターで受けるものとは異なります。

3.インハウスCBT

 企業が用意したパソコンで受ける形式。

 Webテスティングと出題傾向は似ていますが、インハウスCBTを採用する企業は少ないで す。

4.ペーパーテスト形式

 パソコンではなく、紙ベースのテスト形式。

 テスト会場は企業側が用意したところを使用し、マークシート方式が採用されます。

 現在ではパソコンを使ったテストが主流になっていますが、一部の企業はペーパー

 テスト形式を採用しています。

 出題範囲も広く、対策もその分必要です。

 その代わり問題文すべてに目が通せるため、問題量の確認やペース配分がしやすいです。

まとめ

本記事ではSPIと適性検査の問題をクリアするコツについて解説しました。

SPIを含めた適性検査を実施する企業は増加傾向にあります。

SPIや適性検査で足切りにあい、希望の企業へ就職できないことがないよう念入りな対策が必要です。

出題傾向を把握し、問題集を繰り返し解くことでSPIに慣れていきましょう。

また、自己分析を徹底して実施し、性格検査で躓かないようにしましょう。

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