はじめに
SPIを導入する企業は15,500社です。受験者は217万人おり、就職活動で最も受験する可能性が高い適性検査です。
就職活動をしていると、企業からSPI検査の受験を求められることが多いです。
しかし実際の試験内容は推理力等を問う問題が多く、初見では対応しきれないと言えます。
この記事ではSPI試験の概要と対策方法を紹介します。
SPIとは?
SPIとはリクルートマネジメントソリューションズ社が開発した適性検査のことで、年間約15,500社が利用するものです。受験者数は217万人に上り、最も多くの企業が採用している適性検査と言えます。
現在では「SPI3」にアップデートされており、高卒から大卒採用、人材育成からマネジメント支援のために使用されています。
就職活動に挑む学生が最も受験する可能性が高い試験ですので、企業が導入する理由や対策を検討していることも多いと言えます。
適性検査とは、企業が就活生の能力や性格を把握するために用いられる試験のことです。
職業への適性やチームワークにどう馴染むかを見られるため、簡単に考えてはいけません。
就職活動を突破した後にも影響するため、就活者は心して挑む必要があります。
企業がSPI資格を導入する理由
SPI試験を導入する企業が、なぜ採用しているかを紹介します。
- 就活生の特性や性格を把握するため
- ミスマッチを減らしコスト削減するため
- 採用後の配置先を検討するため
それぞれ詳しく解説します。
就活生の特性や強み、性格を把握するため
SPI試験を実施することで、企業は就活生の特性や性格を把握しています。
自社に合う人材か判断するための材料としてSPI検査が用いられるため、どの部署でどんな活動ができる人材かを見極めていると考えましょう。
本記事の後半ではSPI試験の内容も紹介します。
企業がなぜSPI試験を導入しているかは、試験内容を見ても一目瞭然です。
企業とのミスマッチを減らすための検査ですので、対策を検討するだけでなく本当に自分が企業とマッチしているかを判断できる材料でもあります。
ミスマッチを減らしコスト削減するため
SPI試験を導入することで、企業はミスマッチした人材を育成するコストを削減できます。
新入社員に必要なコストには「教育費・備品費・指導者特例費」など、多くの費用が必要になります。
経営者の目線からすれば、コスト削減を検討するのは当然でしょう。
また社内の雰囲気や職務に合っているかを見ていることもあります。
しかし主な理由はコスト削減です。
新入社員の中には数日から数か月で退職を申し出る人がいます。
企業との相性が良くない場合に退職しようと考えることが多く、教育費を支払った企業はコストをかけるだけ損をしてしまいます。
そのため人材に必要なコストを削減するためにSPI検査を導入することが多いです。
採用後の配置先の参考にするため
SPIは入社後の配属先を決定するために用いる企業も多いです。
入社後の配属先により、新入社員が気持ちよく働ける環境を用意するのも企業の役割だからです。
もちろん新入社員にとって、すべての仕事が初めての内容であることに変わりはなく、多少のストレスを感じることもあるでしょう。
しかし新入社員がストレスを感じずに働けるための配置先を検討するためには、特性や性格を把握する必要があります。
SPIは企業にとって、あなたを知るための適性検査です。
SPI試験の内容
SPI試験には、能力検査と性格検査があります。
- 能力検査
- 性格検査
- SPI試験の概要
それぞれの内容を解説し、問題の傾向を踏まえた概要を紹介します。
能力検査
能力検査とは、基本的な一般常識や論理思考力をもっているかを見られる検査です。
言語に関する問題や、数学的な問題が出題されることが多いです。
SPIの能力検査は「言語分野(国語)・非言語分野(数学)」に分類されていますが、企業によってオプションで「英語・構造的把握力」を実施することもあります。
中学や高校のように解法が定められている問題より、思考力を試す問題が出題される傾向が強いと言えます。
しかし一般常識として解答できるための答えが存在し、対策することが可能です。
問題集を繰り返し解いておくなど、練習を重ねることでクリアできる内容です。
性格検査
性格検査は、受験者の性格や仕事への取り組み方を把握するために用いられています。
質問は約300問で解答時間は30〜40分です。
入社後に仕事をおこなうとき、自社の業務内容や社風に合うか否かを判断するための材料として見られることが多いです。
質問の中には嘘を確かめる仕組みが組み込まれているため、受験者は素直な気持ちで解答することが求められます。
企業が求める人材像に合わせて解答すると「故意によく見せようとする傾向」として認知されるため、対策を講じる必要はありません。
自分を見てもらうための検査だと認知することで、素直に解答するようにしましょう。
SPI試験の概要
SPI試験は多角的な評価をおこなうために、客観的な基準を設けています。
そのため「言語・数学・推理力・資質・適性」に評価基準があり、それぞれ以下の内容が試されています。
言語能力
言語能力では、文章読解問題が出題されることが多いです。
文章の主題や詳細を把握し、論理的な流れを把握する能力が検査されます。
また文法問題では基本的な文法ルールや語彙の理解が問われ、正確で迅速な言語理解能力が求められます。
数学能力
数学能力では、四則計算や比率、割合、方程式の開放など基本的な数学能力が試されます。
社会人として基本になる分野として、グラフの読み取り問題が出題されることもあるでしょう。
基本的な数学的スキルや応用力が問われ、論理的思考力や計算能力、思考力などが検査されています。
推理力
推理力の分野では、図形や数列の法則性を見つけたり、論理的な結論を導く能力が求められます。
中学から高校の学習を入念におこなっておけば解答できる内容が多いですが、解法が独特な場合もあり受験者を悩ませます。
推理力の分野は問題解決能力や論理的思考力が試されています。
資質・適性
資質や適性の分野では、性格や価値観、興味関心に関する質問が用意されています。
入社後の配置先などを検討する材料にする企業が多く、答えが1つに定まることがありません。
解法が存在する問題ではありませんので、受験者は自分をアピールするつもりで解答します。
SPI試験を受けるには?
SPI試験を受ける方法は4種類あります。
- パソコンで受験する
- テストセンターで受験する
- ペーパーテスト形式で受験する
- インハウスCBTで受験する
それぞれ説明します。
パソコンで受験する
SPI試験を受験する方法にWebテスティングがあります。パソコンで受験する方法で、自宅にいながらSPI試験を受けられます。
エントリーした企業からURLが送付されるため、期限内に受験する必要があります。
テストを受けている間にインターネットが切れてしまうと、最初からテストを受けなおすことになります。
そのため、通信が安定している環境で受験することをおすすめします。
採点結果は受験後にダウンロードして確認できるため、その後の就職活動に活かすことも可能でしょう。
テストセンターで受験する
SPI試験を受ける際にテストセンターを利用するということもあります。
全国7都市のリアル会場とオンライン会場があり、新卒採用のピーク時には臨時会場が設置されます。
全国7都市とは以下の都市を指します。
- 東京
- 大阪
- 名古屋
- 札幌
- 仙台
- 広島
- 福岡
会場にあるパソコンを使って試験を受けられるため、パソコンをもっていない人でもWebテスティングで受験することが可能です。
また1年以内の結果は、他の企業選考にも利用可能です。
複数の企業にエントリーする際は、リアル会場で受験すると何度もSPI試験を受験しなくて済むため、実質的に時間の余裕が生まれることもあります。
詳細は株式会社リクルートのホームページで確認できるため、リアル会場でSPI試験を受ける際は確認しておくようにしましょう。
ペーパーテスト形式で受験する
ペーパーテスト形式での受験は、応募先の企業が用意した試験会場でSPI試験を受けることになります。
専用の解答用紙へマークシート方式で解答します。
能力検査70分、性格検査30分の計100分で解答することになるため、時間配分を考えておかなければいけません。
大学入試共通テストのような感覚で受験可能ですので、手書きで受験したい人に向いています。
インハウスCBTで受験する
インハウスCBTは、応募先の企業が用意したパソコンで受験する方法です。
利用している企業は少数ですが、企業側の手間が省けるため採用していることもあります。
SPI試験と面接を同日におこなう企業もあれば、別の日に設定されることもあります。
SPI試験の内容はWebテスティングと同様のものですが、企業での検査になるため緊張感があるでしょう。
能力検査35分、性格検査30分の計65分でテストを受けることになるため、面接と合わせると2〜3時間を要します。
就職活動としては長い時間を拘束されることが多いため、準備は入念にしておきましょう。
SPI試験に有効な対策
SPI試験には思考力や推理力を試す問題が多く出題されるため、対策しても意味がないと感じる人もいるかもしれません。
しかし就職活動を突破した人の多くはSPI試験対策を入念におこなっています。
過去の就活者が対策した内容は以下のとおりです。
- 受験方法や形式を確認する
- 対策アプリや問題集で解答に慣れておく
- 模擬試験を受けてみる
- 問題集1冊を徹底して解く
- 苦手な問題は反復練習
- 解答時間を意識して解く
それぞれ簡単にまとめます。
受験方法や形式を確認する
SPI試験はリクルートが開発した試験ですので、学生時代の問題とは異なる傾向があります。
限られた時間内に解答する能力を含め、パソコンを利用するWebテスティングに慣れておくことも必要でしょう。
また筆記で試験に挑む場合は、マークシートの形式が大学受験とは異なることがあります。
問題の内容そのものよりも受験方法による違いを把握しておき、リラックスした状態で試験に挑めるように心がけることが大切です。
対策アプリや問題集で解答に慣れておく
SPI試験は企業が求める人材を把握するために用いられています。
そのため一定の基準に満たない場合は、採用されない結果に繋がるでしょう。
企業が定める基準が公表されることは少ないですが、対策アプリや問題集を用いて加点を狙っていきます。
特に数学的な分野での「頻出問題・必出問題」は存在するため、問題の傾向を把握しながら何度も問題を解いておくと良いでしょう。
当サイトではSPIに関する問題を幅広くカバーして紹介しています。
問題をといてぜひ対策に役立ててください。
模擬試験を受けてみる
SPI検査の模擬試験を公開している企業があります。
問題集等で傾向分析し、解答に慣れてきたら模擬試験を受けてみましょう。
実際の形式で受験できるため、本番での緊張を和らげることに繋がります。
どの分野の問題でつまづきやすく、どんな問題に時間を要するかを把握しておくことが大切です。
練習と本番は精神的に異なる部分が多く、イメージトレーニングしておかなければ緊張で解答できないという人もいます。
模擬試験を受けることで、可能な限り本番に近い環境で受験に慣れておきましょう。
問題集1冊を徹底して解く
試験対策の基本は「問題集1冊を徹底して解く」ことです。
複数の問題集を購入して、実際はあまり解いた経験を積んでいない人も多いのではないでしょうか。
大学受験等の試験でも同様ですが、問題集1冊には多くの傾向と分析が集約されています。
1冊を完全マスターすることで、他の問題集を解かなくても傾向に慣れることが可能です。
また反復学習することで、どの問題が問題集のどの位置にあったかを覚えておくようにします。
そうすることで、緊張感がある本番でも思い出しやすくなるため、SPI試験対策になりやすいでしょう。
まとめ
SPI検査は多くの企業が採用している適性検査です。
受験者の人柄や性格を知るための検査ですが、一般教養が含まれるため対策が可能です。
中学から高校レベルの問題ですので、反復して問題集1冊をマスターしましょう。
問題解決能力や推理力が問われる問題では、答えを導き出すための考え方が見られています。
そのため解法を覚える勉強法ではなく、考える癖を身に着けるための対策が必要です。
とはいえ、企業が求める基準が公開されることは少ないため、本番でリラックスした状態で試験を受けるために慣れることが最大の対策と言えるでしょう。