SPI対策は必須?その理由は?万全に準備して試験を迎えるための方法
SPIといえば、就活で迎える最初の関門です。
企業にとってSPI導入は必須ではないものの、実際94%の企業が実施しています。
ですので、ほとんどの就活生はSPIは就活で通らなければいけない道といってもいいでしょう。
といっても、SPIは難しそうだなと苦手意識を持っている方も多いはずです。
何となくSPIに向けて勉強する気が起こらないなんて方もいるでしょう。
そこで本記事では、SPI対策で悩む就活生のために、SPIの出題範囲や対策法について詳しく紹介していきます。
SPIですることは試験ですが、ただ試験を受けるだけではありません。
ぜひあなたの適性やスキルをアピールしてください。
SPIって何?
企業は就活生に対して、平等に審査し、採用選考をおこなうためにSPIを導入しています。
SPIの結果は採用時はもちろん、新卒者が入社後に快適に働ける環境を用意するためにも使われることがあります。
SPIの結果は企業にとって大事な資料となるのです。
就活生からしたら足切りに使われるものとしてあまり良い印象はないかもしれませんが、SPIの結果がすべてではありません。
SPIの結果が悪いからといって、必ず不採用になるかといったらそうとも言い切れません。
SPIの成績が悪くても次の選考に進める就活生もいます。
企業は確かにSPIの結果を参考にしますが、結局のところ総合的に判断していることを忘れないでください。
ほとんどの企業がSPIを導入している理由とは?
冒頭でもお伝えした通り、ほとんどの企業がSPIを導入しています。
SPIのない企業のほうが珍しいくらいです。
では、なぜほとんどの企業がSPIを実施しているのでしょうか。
その理由をみていきましょう。
SPIが一般化しているから
選ばれる理由の一つは、導入企業が多く、実施するのが一般的だからです。
SPIは、年間利用社数15,500社が実施しており、受検者数は217万人以上です。
適性検査と呼ばれるテストはさまざまなところで行われていますが、就活における適性検査は、国内で最も導入されている検査です。
結果がわかりやすいから
理由の二つ目としては、SPIの結果は報告書としての役割も果たし、わかりやすいからです。
パッと見てわかりやすい報告書になるのです。
そのため社内で共有しやすいでしょう。
妥当性のある情報が得られるから
SPIの結果は正確ですし、公平です。
SPIは就活生全体の平均を比べた時、どの位置に就活生がいるか測定できるツールです。
43年の長い年月をかけてできた公平なデータサンプルをもとに、妥当性のある結果が出るのです。
そのため多くの企業はSPIを信頼し、導入しています。
企業の94%が導入しているSPIは、就活を進める中で避けては通れないといっても過言ではありません。
企業との相性を確認するため
SPIを実施する企業が多いのは、自社と就活生の相性を知るためという目的もあります。
当然ですが、企業としては相性の合わない就活生は採用したくありません。
とはいえ、エントリーシートや面接からだけでは相性の判断は難しいです。
そのため、さらにヒントを増やすためにSPIを取り入れているわけです。
採用後に企業と新卒者の相性が悪いとわかるよりも、選考の段階でわかってより分けたほうが双方のためと考えています。
SPIを導入することで、就活生との相性を知的能力と性格の観点からデータで評価できるため、導入するところが多いのです。
書類や面接からだけでは見えてこない就活生の素顔を知るため
履歴書や面接でも、企業は就活生の人となりがわかりますが、それでも不十分です。
本当に実力があるか、根本的な特性はどんなものかというところまで知るには、やはりもっと検査が必要なのです。
SPIを使えば、履歴書や面接からだけではわからない就活生の素顔を知ることができます。
そういう意味でSPIを導入する企業は多いのです。
SPIを使えば多角的に就活生について知ることができます。
面接官の主観にも左右されず、公平に就活生との相性を判断できるのです。
企業の採用活動においては、割ける時間が限られています。
その限られた時間の中で就活生を見極めるためにも、効率的な検査方法であるSPIが必要なのです。
入社後との適切な配置のため
企業は採用活動にSPIを活用するだけでなく、入社後のことまで考えて導入しています。
というのも、採用した後は特定の部署に配属したり、教育したりします。
どの部署に配属するのがベストかなど考える上で、SPIの結果は役立つのです。
人材教育についても、SPIのデータが参考資料になることがあります。
例えば、新卒者の上司やリーダーとSPIの結果を共有し、新卒者がスムーズに働けるように支援するために、どんな教育が適切か判断できるでしょう。
SPIの結果は何に利用されるのか?
就活生にとっては、SPIのデータはどこにいってしまうのか不透明でしょう。
しかし、企業のSPI実施の目的は明確であり、採用活動や入社後にきちんと生かされています。
無駄になることはありません。
例えば、内定決定後の配属先を決める時や、上司に情報共有するために利用されることがあります。
企業の採用から入社までのフローについて、SPIは具体的に次のように活用されています。
それでは、具体的に一つずつみていきましょう。
選考段階で就活生のことを理解するため
企業はSPIのデータをもとに、就活生が自社に合うかどうか判断しようとしています。
企業側も誰を採用しようかと慎重になっているのです。
といっても、採用活動を通して、就活生一人一人の情報をすべて把握するのは困難です。
時間は限られています。
そのため、短期間で就活生全員の人格や知的能力をある程度把握するために、SPIを導入しています。
SPIの結果があっても就活生のすべてがわかるわけではないですが、追加情報として役に立つでしょう。
応募してきた就活生をよく理解した上で選考するためにも、SPIの結果を用いているわけです。
配属先を決めるため
人それぞれ得意分野もあれば不得意分野もあります。
SPIの結果は、就活生の得意・不得意を認識するのにも役立つでしょう。
その情報は、入社後の配属先を決定する上でも役立ちます。
配属先の上司に知らせるため
上司は、新しく入ってくる部下にどのようなスキルがあり、どんな特性を持っているかあらかじめ知っておきたいものです。
先に知っておけば教育方針も立てやすく、今後の教育プランが決まってきます。
新人を指導する上司が教育しやすくするためにも、SPIの結果は情報共有するために使われることがあるのです。
上司として、これから一緒に働くことになる部下の特性やスキルなどの情報を知っておくことは、教育者としてもとても大事なのです。
SPIの試験内容
SPIは、能力検査と性格検査の2つで成り立っています。
能力検査では知能が問われ、性格検査では就活生の人格や適性が測定されます。
それでは、それぞれの特徴をみていきましょう。
能力検査とは
能力検査では、社会人に必要なコミュニケーション能力や思考力を測定します。
測定するためにも、言語と非言語の問題が扱われています。
それに加え、企業によっては英語や構造的把握力の問題が追加される場合があります。
確実にあるのは言語と非言語の問題です。
国語や数学の復習が必要です。
SPIの合格基準ははっきりとは決まっていません。
それでも、企業が求める最低水準には達している必要があるでしょう。
言語分野の問題はどんなもの?
言語の分野は、中学で受けた国語のテストのようなイメージです。
そこまで難しい問題は出てきません。
しかし、忘れている知識も多いはずなのでSPI対策として復習が必要でしょう。
出題範囲は大きく7つのセクションに分かれています。
熟語の問題から長文読解まで、語彙や文章に関わる問題が主です。
日頃から文章を読んで読解することに慣れておきましょう。
本や新聞の読書が役に立ちます。
特に語句の意味や話の要点を正確に捉えることが大切です。
問題は中学~高校レベルなので、SPI対策といってもそこまで猛烈に勉強する必要はないでしょう。
人によっては少し復習しただけで高得点がとれる場合もあります。
非言語分野の問題とは
非言語分野では、数学の問題が出てきます。
計算だけの問題も出てきますが、文章題も出てくるので、論理的思考力が求められます。
文章題を解く時は公式を使うことが多いので、公式を頭に入れましょう。
公式を暗記していないことには、解けない問題が多いはずです。
解けたとしても公式を使わないと時間がかかってしまうでしょう。
性格検査
能力検査のように頭を使わない問題なので、比較的サクサク回答していけます。
基本的には質問されることに答えていくだけです。
決まった答えはないため自由に答えられます。
SPIの受け方
SPIを初めて受ける方は、SPIの受検方法に4つの種類があるのをご存知ない方もいるでしょう。
企業によって受検方法が指定されています。
志望する企業が指定する受検方法に従うのが基本です。
では、どのような受検方法があるのかみていきましょう。
テストセンター
リクルートマネジメントソリューションズが会場とパソコンを手配し、受検者はそこへ出向いてパソコンで受検することになります。
あるいは、自宅のパソコンからも受けることができます。
その際は指定されたシステムを通じて、監督者のもとで受検することになるでしょう。
受験期間も決まっているため、予約をとる時は期間内で予約をとって受検します。
WEBテスティング
WEBテスティングを受けるには、インターネット環境が必須です。
受検期間が定められており、ご都合に合わせておうちや学校から受検できます。
自宅で受ける場合はもちろん自分のパソコンがなければいけません。
ペーパーテスティング
アナログ的な受検方法になりますが、従来の筆記試験という形でSPIを受けることもできます。
こちらも企業がペーパーテスティングを指定した場合にご利用できます。
すべてマークシート方式で回答するようになっており、パソコンや電卓は基本的に使いません。
現代はインターネットで処理することが増えているため、時代の移り変わりとともにだんだんペーパーテスティングは減っています。
インハウスCBT
インハウスCBTを実施する企業は全体の1%とかなり少数です。
インハウスCBTは、企業にとってセキュリティ性が高く、自社完結でできるのが魅力です。
受験者は志望する企業まで足を運ぶことになります。
その場で結果がわかり、結果を確認してすぐ面接に移行する場合もあります。
SPI対策を成功させるにはどうすればいい?
SPI対策をしなければとわかっていながらも、どう対策したらいいかわからない方も多いでしょう。
SPIは難しそうなイメージがあるでしょうが、実は中学・高校の範囲で大学入試ほど難しくありません。
むしろ、人によっては簡単すぎると感じてしまうこともあります。
これまで学校でしっかり学んできた方は、少し復習するだけでSPIでハイスコアが狙えるでしょう。
大学受験のように、長時間かけて猛烈に勉強しなければ点数がとれないというものではありません。
それでは、SPI対策を効率よく進め、成功させるにはどうすればいいでしょうか。
SPI対策のコツ3つ
ここでは、SPI対策のポイントを3つにまとめています。
一つずつ要点をみていきましょう。
まずは問題を解いてみる
ファーストステップは、問題を解いてみることです。
SPIの問題集に出ている問題を解いてみましょう。
そうすれば、SPIがどんな感じの試験なのか感覚をつかむことができます。
できれば1冊の問題集を全部仕上げてみるといいです。
とはいえ、問題が難しすぎて歯が立たなければ解きにくくなるため、問題集を選ぶ時は自分が解けそうに感じる問題集を選びましょう。
弱点を対策する
SPIの問題を解いてみると、わからなくて飛ばしてしまった問題や、解いたけれど間違ってしまった問題などが出てくるでしょう。
このような問題はあなたにとって苦手な部分なので、克服できるように努めてください。
苦手をそのままにしていると、点数は伸び悩んでしまいます。
間違ったからといっていちいち落ち込まなくても大丈夫です。
間違ったとしても、解説を読んで理解できれば問題ありません。
そして間違った問題を繰り返し解いてみましょう。
理解した上でスムーズに解けるようになるまで繰り返してください。
そうすれば着実に苦手を克服していけます。
頻出問題は特に点を稼げるので、ぜひ意識的に練習してくださいね。
時間のかかる問題に強くなる
問題によっては、解くのに時間がかかるものがあります。
そういった問題を中心に対策するのもおすすめです。
SPIに慣れていない人は、時間制限の壁にあたることが多いです。
時間が足りなくなるのは、一つの問題に時間をかけすぎているからの場合が多いです。
素早く解くためにも、解くのに時間がかかっている問題を重点的に対策しましょう。
練習を積んでこれまで解くのに時間がかかっていた問題に時間がかからなくなれば、得点アップが期待できます。
言語の問題の対策法
言語の分野では語彙の問題が多く出題されるため、語句の意味や用法を重点的に学びましょう。
言語のセクションは語彙力を高めれば解ける問題が多いです。
そのため語彙力がポイントです。
語彙を暗記するのもそうですが、意味や用法を正しく覚えることも重要です。
また、長文も出てくるため、普段から新聞や小説に触れ、活字を読むことに慣れておきましょう。
非言語分野の対策をするにはどうする?
非言語の対策をするには、公式と解法パターンを覚えるのが早いです。
SPIで出る問題にはたいてい解法パターンがあります。
ですので、公式や解法パターンを土台として学んでください。
とはいえ、必ずしも公式をあてはめて解ける問題ばかりとは限りません。
公式を使わない問題もあるため、確認しておきましょう。
英語の対策をする方法
TOEIC対策はそのままSPI対策につながります。
TOEICの勉強は無駄になりません。
というのも、TOEICでは日常生活やビジネスでよく使われる一般的な英語が頻出します。
SPIの英語も英語の一般教養なので、マニアックな語句はほとんど出てきません。
文法も大学入試ほど難しくはなく、中学英語がわかっていれば解ける問題がほとんどです。
SPIとTOEICでいったらTOEICのほうが難しいですが、過去にTOEICを受けた方や、今まさにTOEICの勉強をしている人は有利になるでしょう。
SPIと共通する問題もあるので、簡単に感じる可能性があります。
SPI対策の予定を立てることが大事
SPI対策を効率良く進めるためにも、スケジュール管理が大切です。
どのくらいの勉強時間が必要?
SPI対策としてどれくらいの時間が必要かには個人差がありますが、一般的には30~60時間といわれています。
これだけの時間勉強すれば確実といったことはいえないので、あくまで目安としてとらえてください。
企業が求める合格基準や進捗状況によっても異なります。
いずれにしても、多くの学習時間を確保できるように、早めに対策を始めるに越したことはないでしょう。
いつからSPI対策を始めればいいの?
始める時期については、3年生の12〜1月がおすすめです。
そこから約1,2か月で対策が終わるように目指しましょう。
3月になると就活が本格的にスタートします。
本格的になってから初めてSPIの対策を始めたのでは、ほかのことにも時間をとられて十分な時間が割けないでしょう。
ですから、本格始動する前に対策をスタートしてください。
勉強期間に余裕を持つことは、心のゆとりにもつながるでしょう。
余裕を持って対策できるはずです。
SPI対策になるおすすめの参考書3選
ここでは、SPI対策としておすすめの3冊の参考書を紹介します。
それぞれ特徴が異なるので、ぜひご参考にしてください。
2026年度版 7日でできる! SPI[頻出]問題集
出典:高橋書店
主要22単元を一週間で仕上げることができる問題集です。
あまり勉強できる時間がない方におすすめです。
たった7日でも、ポイントが凝縮されているので基礎から応用までカバーできます。
イラストつきの解説も丁寧でわかりやすいです。
これが本当のSPI3だ! 2026年度版
出典:講談社BOOK倶楽部
SPIテストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティングの3つの形式に対応しています。
各形式の出題傾向を網羅しているので、この1冊をやっておけば十分対策ができます。
解説も丁寧ですし、頻出度の高い順番に範囲が出ているのも心強いです。
問題集選びで迷ったらとりあえずこちらを選んでみてください。
史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集
出典:ナツメ社
やや難しめなので、ある程度SPI対策が終わった後に実力試しとして使ってみるといいでしょう。
問題数がとにかく豊富なので、ひたすら問題を解いて力をつけたい方におすすめです。
素早く解くためのコツも解説してあるので、裏技テクニックが学べる可能性があります。
SPIの練習ができる3つのおすすめサイト
サイトを通してお手軽に練習問題に取り組めたらいいでしょう。
SPI対策ができるサイトがいくつかあるので、ここでは3つに厳選しておすすめを紹介していきます。
通学時間などにぜひご活用ください。
Study Pro「SPI無料学習サイト」
無料でSPIの練習問題が解けるのが魅力です。
言語分野・非言語分野・CABの3つのパートに分かれており、優先度もわかりやすいです。
復習の必要性が色分けされているため、進捗状況もわかりやすくなるでしょう。
SPI頻出問題集
メディアや就活の教科書の編集部が公開しているサイトで、SPIに苦手意識がある方にもおすすめです。
言語分野と非言語分野がこの1冊でカバーできます。
LINEで無料で受け取れてコストフリーで使えます。
SPI対策問題集 produced by CareerMine
とにかく問題数が充実しています。
約340問の練習問題を解くことができるので、かなり実力がつくでしょう。
SPIの問題傾向に慣れることができます。
言語や非言語だけでなく、英語分野の対策もバッチリできます。
問題と解説の質が高く、学習データもわかりやすいため、自分の不得意な部分がわかりやすいでしょう。
まとめ
SPIは就活生を足切りするためだけのテストではなく、企業が可能な限り正しく就活生との相性を判断するためのものです。
入社後にも資料やデータとして生かされる場合があります。
勉強はしたくないと思う方もいるでしょうが、SPIは高得点がとれなかったからといって落ちるとは決まっていません。
もちろん極端に成績が悪いのは避けたほうがいいですが、対策をしっかりしていれば全体の6割以上とれる可能性は十分にあります。
満点を目指すよりも、自分なりの目標値を目指しましょう。
そもそもSPIの内容はそこまで難しくないため、対策次第で誰でも高得点がとりやすいです。
より高得点を目指すなら、苦手な分野を克服することをおすすめします。
そのためにも問題集を活用してください。
ぜひ本記事で紹介した実際の問題や、おすすめの問題集やサイトを利用しながら質の高い対策をしてくださいね。