はじめに

SPIの試験対策が進んでいないような不安を感じる就職活動中の皆さんへ向けて、効果的な学習方法を紹介します。
日々の学業やバイトなどに追われて、SPIの勉強時間が確保できてないという状況もあるでしょう。
試験までの期間が短くなっても、諦める必要はまったくありません。
限られた時間で最大限の効果が得られる学習方法から始めましょう。
以下のような状況がある方には特におすすめの内容となっています。
- ・SPIの試験日程が迫っている状況で焦りを感じている方
- ・SPIの対策にまだ手をつけられていない方
- ・短い期間で効率的な試験対策したい方
限られた時間でも確実に量を伸ばすことは可能です。
これから紹介する学習方法を実践することで、試験本番での成功率を高められるでしょう。
SPIを確実に突破するために、最後まで読んでください。
できるだけ早くSPI対策が必要!
企業の採用選考で利用される適性検査「Synthetic Personality Inventory(SPI)」は、受検者の適性を総合的に判定する評価システムです。
SPIは能力検査と性格検査の2つの領域から構成される評価方法となっています。
採用企業数は年間約15,000社に達し、受検者数は200万人を超える実績を持っています。
応募者が集中する人気企業では、選考プロセスの最初にSPIを実施することで応募者を絞り込みます。
採用の最終判断にSPIの評価だけが使用されることはありませんが、この時点で基準点に達しないと今後の選考に進めない仕組みとなっています。
試験の突破には十分な準備期間を割くことが重要です。
効率的な学習方法については下記の記事で詳しく説明していますので、学習計画が上手く立てられていない方はぜひ参考にしてください。
SPIの内容
SPIの検査は大きく分けて2つから構成されているのが特徴です。
就活生のパーソナリティの側面であったり、人となりを測定する「性格検査」と、就活生の知的能力を測定する「能力検査」です。
ここから、この能力検査と性格検査の2つについて詳しく解説していきますので、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
性格検査
SPIの性格適性検査は、応募者の志向性や対人関係、業務への姿勢などを分析する評価方式です。
この検査では、さまざまな場面での考え方や行動について、自分の特性にどれくらい該当するか選択していきます。
企業側はこの検査結果を活用し、応募者の適性と企業文化の両立を判断しています。
適切な配置への配属を検討する際の参考資料としても利用されているのも特徴です。
よく見せようとした不自然な回答は、質問項目間での誤りとして認識され、採用担当者にも分かるようになっています。
「性格検査は対策不要」という認識を持っている方もいるかもしれません。
検査の特徴を事前に予習しておき、本番では落ち着いて回答できるようにしましょう。
より詳しい情報は下記の記事をチェックしてください。
正しい受検姿勢で、最適な結果を導き出しましょう。
SPI性格検査の例題|選考を突破するSPI性格検査の特徴と秘訣を徹底解説!
能力検査
SPIの能力適性検査は、受検者の基礎学力を多角的に判定する評価システムです。
試験は言語分野と非言語分野の2つの領域で実施されます。
企業の採用方針に応じて、英語や空間把握力の測定が出題される場合もあります。
出題内容は中学・高校の基礎学力を確認する問題が中心です。非言語分野では数学I・A程度の計算力や、データ分析力、論理的思考力を問う問題が含まれます。
一方の言語分野では、文章読解や言葉の意味理解など、国語力を測定する問題が出題されます。
標準的な試験時間は30分間で、約40問の設問です。
問題の難易度は高くありませんが、1問あたりの制限時間が1分未満と短いため、基本的な解決法や考え方を事前に理解しておくことが重要です。
確実な得点を得るためには、頻出パターンの理解と効率的な解答方法の習得が必須になるでしょう。
各分野の詳細な解説と演習問題は下記の記事で確認できるので、参考にすることをおすすめします。
SPI対策が間に合わないのはマズイ?
SPIを突破するためには十分な準備期間が必要になります。
基礎問題が中心の試験ですが、幅広い分野からの出題に対応するため、計画的な学習時間の確保が鍵となります。
当面の合格ラインをクリアするには30時間程度、より高い得点を目指すためには60時間以上の学習時間の目安です。
短い準備計画でも、戦略的な学習を立てることで効果的なものとなるでしょう。
以下のような時間配分で学習を進めることを参考にしましょう。
- 非言語分野の基礎固め:15時間
- 言語分野の演習:10時間
- 模擬試験による総合演習:5時間
限られた時間でも、集中的な学習により十分な成果を挙げられます。
試験までの残り時間を逆算し、優先順位を付けて学習計画を立てていきましょう。
参考:SPI対策はいつから始めるのが正解?勉強にかける時間や流れ・必要なものを解説
間に合わない人たちはどうSPI対策すればいいか
SPI本番まで時間がない場合、どう対応していいか分からず焦ってしまう場合もあるでしょう。
SPIテストまでの残り時間に応じた効果的な対策方法についてご説明します。
数日しか時間がない場合の対策
本番まで数日しか時間がない場合は、非言語分野のなかでも頻出問題に焦点を当てて学習するのが最も効果的です。
言語分野は一般知識である程度対応できますが、非言語分野は解法や公式の習得が必要です。
そのため、SPI問題集などを活用し、非言語分野の頻出問題に集中的に取り組むことをおすすめします。
1〜2週間程度の時間がある場合の対策
非言語分野に加えて、言語分野の学習も並行して行いましょう。
特に以下の分野は重点的な対策が必要です。
- ・二語の関係性理解
- ・語句の意味を把握する
- ・適切な語句
時間がない中でもやるべきことをはっきりさせて、対策していきましょう。
1ヶ月程度の余裕がある場合の対策
実践的な試験対策として、以下の形式の模擬試験を受けることをおすすめします。
- ・ペーパーテスト形式
- ・Webテスト形式
- ・CBT方式
模擬試験を受検することで、本番の試験の流れや雰囲気を事前に体験できます。
これにより、試験当日の不安や緊張を軽減することも可能です。
非言語分野・言語分野のさらに詳しい対策については、以下の章で解説していきます。
間に合わない就活生のための言語分野対策
SPI対策の「言語分野」では、間に合わないという方々は、
- 二語の関係
- 語句の意味
- 語句の用法
に絞って勉強しましょう。
二語の関係
「二語の関係」とは、あらかじめ2つの種類語が与えられ、それぞれの語のあいだにどのような関係があるかを解答する質問です。
頻出の二語の関係は大きく分けて、
- 同意語関係
- 反意語関係
- 包含関係
- 役割関係
- 原料関係
- 並列関係
- セット関係
となります。
たとえば、出題される質問は以下のような感じです。
最初に示した2つの語の関係を踏まえ、同じ関係をもつモノをA~Cより選びましょう。
■カメラ:撮影
A ドラム:バチ
B 電子レンジ:パソコン
C コピー機械:プリント
この解答は、Cとなります。
この一例を確認しても、落ち着いてのぞめば別に難しいことはありません。
二語の関係についてさらに知りたい方は、以下の記事もチェックしてみましょう。
語句の意味
試験本番では「考えすぎず、スピーディーに解答すること」が鍵です。
日頃から語彙を増やし、問題に慣れることで、時間内に正確に解答できる力を身につけましょう。
【】の言葉と、意味が合致しているものをひとつ選びましょう。
今期売上げがアップできるとは【断言】できない。
A. 推定
B. 確言
C. 提言
D. 進言
E. 発言
この場合の解答は、Bの「確言」です。
語句の意味についてさらに知りたい方は、以下の記事もチェックしてみましょう。
語句の用法
「語句の用法」の質問です。
【】で示した語句と同じ意味、用法の語句を選びましょう。
電車【で】つい寝てしまった。
- 腹痛で早退する
- コンビニで買う
- 一人で暮らしている
- よく噛んで食べる
この場合の解答は、「コンビニで買うの」Bです。
語句の用法についてさらに知りたい方は、以下の記事もチェックしてみましょう。
間に合わない就活生のための非言語分野対策
ここでは、「非言語分野」の問題を解説していきます。
実際に問題を解き、得意・不得意を見極める参考にしてください。
場合の数
SPIの非言語分野で頻出といえる「場合の数」は、問題文の条件を正確に把握し、可能性のあるパターンを数える力が必要です。
具体的な問題で考え方を確認してみましょう。
場合の数の基本問題
男の子7人、女の子6人から一人ずつ掃除当番2名を選ぶ場合、何通りになるか?
選ぶ際の条件
- ・男の子から1名を選ぶ方法:7通り
- ・女の子から1名を選ぶ方法:6通り
全体の組み合わせ数
男女1名ずつの選出:7×6=42通り
この種の問題では、条件に応じた選択のパターンを正確に考えることがポイントです。
代表的な解法パターンを習得することで、試験での解答時間を短縮できます。
その場合の数の詳しい解説と演習問題については下記の記事を参照してください。
確率
SPIの非言語分野に関して、確率の問題は多くの受検者が苦手とする分野となっています。
具体例として、以下のような問題で確率の考え方を確認してみましょう。
基本的な確率計算の問題
リンゴ3個とミカン6個の中から、2個取り出した際にミカン2個となる確率は?
解き方のポイント
- ・ミカン2個を選ぶ組み合わせ数は15通り(6C2=15)
- ・全体の組み合わせ数は78通り(9C2=78)
- ・確率の計算式:15÷78=約0.2(1/5)
このように確率問題では、順列や組み合わせの考え方を使って解けます。
より詳しい解法テクニックについては下記の記事で説明していますので、学習の参考にしてください。
確率についてさらに知りたい方は、以下の記事もチェックしてみましょう。
集合
「集合」では、問題で複数の集団に関しての情報が提示されているので、その情報をもとにして解答するのがポイントです。
300人の高校生にリサーチしたところ、サッカーが得意な人たちが200人、野球が得意な人たちが120人いました。
どちらかのスポーツだけが得意な人たちの人数を調べたい場合どうすればいいか。
サッカー&野球両方とも得意である人たちが50人いれば、サッカーと野球どちらか一方だけ得意である人は何人でしょう。
A 250
B 200
C 210
D 260
E 220
解答はEの220です。
サッカーだけ得意な人は、200 – 50で 150人です。
一方で野球だけ得意な人たちは、120 – 50で70人です。
よって、どちらか片方だけ得意な人たちは150 + 70で 220人となります。
一見難題な質問に見えるかもしれませんが、解答方法のコツを得ていれば、シンプルな問題にも感じられることでしょう。
集合についてさらに知りたい方は、以下の記事もチェックしてみましょう。
まとめ
今回は時間が無く対策が間に合いそうにないと感じた就活生のための対策方法について詳しく説明してきました。
SPIの非言語分野では中学・高校レベルの数学力が基礎となるため、数的処理が得意な方は比較的スムーズに対応できる可能性があります。
しかし、数学が不得意な方でも、効率的な学習方法と解決のポイントを押さえることで、十分に対応が可能です。
限られた時間を有効活用するためにも、以下の点に注目して学習を進めていきましょう。
- 頻出問題の解法パターンを優先的に習得する
- 基本的な公式や計算方法の確認
- 実践的な問題実験による応用力の向上
残り時間が少なくても、戦略的な学習アプローチで、確実に得点力を身につけられます。
この記事で紹介した学習方法から、自分に合った対策をスタートさせてください。
最後まで諦めずに準備を進めていくことが試験本番での成功につながります。